John Faheyを聴き出したことによって作り始めたアコースティックギターのインスト。
ギターインストを中心に2007年半ばから2008年3月まで録りためた40曲から選曲。
音はローファイながら、感情を込めた怪しげな演奏になっていると思います。
歌、電子音の作品も入っています。
(レヴュー)
知り合いだから褒める訳ではありません。
私も長いこといろんなギタリストに会っていろんな音楽を聴いてきましたが、ここまで「アメリカン・プリミティブ・ギター」の感覚でアコースティック・ギターを弾ける人には、今まで出会ったことがありません。
私が今まで認識してきた範囲で言えば、masakiさん、藤原シゲトシさんなどにも共通する部分がありますが、ジョン・フェイヒイの主宰していた タコマ・レーベルに代表されるアーティスティックなギターの感覚を会得して、借り物としてではなく、完全に自分の表現手段として駆使しているのは驚異で
す。私もフェイヒイに捧げるオムニバスCD『涙』(OTR-020, 2006)をプロデュースした者として、感激しました。
また、臨場感に溢れる生々しいギターサウンド、いくつかのポイントで出てくるボーカルやキーボードなどを加えた音楽センスにも、大きな感銘を受けました。私が大好きなニック・ドレイクにも通じる、独特の運命的な寂寥感があり、音の世界に抗し難い不思議な引力を感じます。
デビューアルバムにして全17曲、64分の大作ですが、全く飽きずに聞けます。
皆さんにも、ぜひお勧めします。
浜田隆史